「……静は、だいぶ見た目変わったよね」
正直な感想を口にすると、静は小さく笑った。
「まあ、7年ですもんね。ふみさんが俺のこと忘れてたらどうしようかと思いましたよ」
そう言いながら肩をすくめる。
「……忘れるわけないでしょ。あの時の私は、静だけだったんだから」
…そう、本当にそうだった。
まるで胸の奥にずっとしまい込んでいた気持ちが、勝手に零れ落ちてしまったみたいだった。
だけど、それは紛れもない本音だった。
あの頃の私にとって静は世界の中心だった。
従妹であり、お兄ちゃんみたいな存在であり、親友であり――そして、初恋の相手だった。
学校で嫌なことがあった日も、家で泣きたくなった日も、隣にはいつも静がいた。
静がいるだけで安心できた。静が笑ってくれたら嬉しかった。静に褒められたら一日中幸せだった。
子供ながらに必死なくらい、私は静だけを見ていた。
だから突然いなくなった時、どれだけ傷ついたかなんて本人はきっと知らない。



