どうせなら、最後は君に殺されたい




襖が閉まる音がやけに大きく響く。そして二人の足音が遠ざかっていく。


影が廊下の向こうへ消えていくのを見届けた瞬間、部屋の中に静寂が落ちた。



「……。」



しん、と静まり返る空間。聞こえるのは自分の呼吸音と心臓の鼓動だけ。



「(ふ、ふたりきりになっちゃった……)」



どうしよう。どうしたらいいんだろう。

7年ぶりの再会。子供の頃なら何も考えずに話せたはずなのに。


目の前にいる静は、私の知っている静とはあまりにも違いすぎた。


背も高くなった。声も低くなった。肩幅だって広い。

子供だった静の姿を知っているからこそ、その変化に戸惑ってしまう。


私の知っている静は、小さくて、無愛想で、子どもとは思えないほど落ち着いている子どもだった。


でも今目の前にいるのは、大人の男の人だ。


私は視線の置き場に困り、机の木目をじっと見つめた。


何か話した方がいいのかな。でも何を話せばいいんだろう。


7年分の空白は長すぎる。聞きたいこともたくさんあるはずなのに、いざ本人を前にすると何一つ言葉が出てこなかった。