どうせなら、最後は君に殺されたい




「明日から、こいつがお嬢のボディーガードです」



中学最後の春休み、最終日。


明日からは高校生になるんだっていう、期待と不安がごちゃ混ぜになった、落ち着かない気持ちで過ごしていたその日のこと。


いつも私のボディーガードであり、学校と家の送り迎えの運転手でもある(おみ)さんが、どこかへ出かけていたのに帰ってくるなり、急に私を客間へ呼び出した。



正直、その時の私は少し浮かれていた。



だって臣さんが家の中でわざわざ私を呼ぶなんて、そう多くないことだし。


なにかお土産でも買ってきてくれたのかな、なんて……


ルンルンで自分の部屋から飛び出して階段を駆け下りた私はバカだったらしい。



正座している私と、大きな机を挟んだ向かい側に座る、同い年くらいの男の子。



その光景だけでも十分に異様なのに、その男の子を挟むみたいな位置で、臣さんと、いつも通り無表情の幹部・(くわ)さんが静かに座っているのが、余計にこの場の空気を重たくしていた。



誰もすぐには何も言わなくて、時計の秒針の音だけがやけに大きく耳に響いてくる。