ふたつの時を、重ねていく【『ふたつの弧が、重なるとき』番外編/不定期更新中】

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 二次会へと向かうメンバーたちに元気よく別れを告げ、私は一人、まっすぐ最寄り駅へと帰ってきた。

「祥ちゃーん!」

 改札の前に立つ愛しい姿を見つけ、ブンブンと手を振りながら駆け寄る。
 そんな私の足取りを見て、祥ちゃんは呆れたようにフッと笑みをこぼした。

「またいっぱい飲んだでしょ」

「だってえ、勧められるんだもん」

 人目も気にせず、その胸にギュッと抱きついてしまう。
 並んで歩き出すと、いつものように腕を組んだ。

 アルコールでフワフワする頭を、彼の右肩にそっと乗せさせてもらう。

「……外でくっつきすぎじゃない?」

「寒いんだもんっ」

 静かな住宅街に入ると、二人の吐く息が白く染まるのが街灯に照らされてよく見えた。
 夜も遅い時間なので、少しだけ声をひそめる。

「今日もね、いっぱい祥ちゃんの自慢しちゃった」

 祥ちゃんは「また?」と小さく吹き出す。

「だってえ、聞かれるんだもん」

「……いつも、どういう顔で話してる?」

 覗き込みながら尋ねられた。

「え?」

「俺の自慢するとき。再現してみて」

 急にそんなことを言われ、「ん〜」と思い出しながら、にへらっと顔を作ってみせた。

「ぜーんぶ大好きなんですよお〜!」

 祥ちゃんはピタリと足を止め、私をまじまじと見つめた。

「…………ダメ」

 そして、真顔でそう言い放たれる。

「ええ? 祥ちゃんの自慢なのに、ダメなの!?」

「可愛すぎるから外でやるのはダメ。禁止」

「えーっ!」

 祥ちゃんがたまに出す独占欲。
 それについ舞い上がってしまい、冷たい夜道でも私の足取りは自然と弾んでしまうのだった。




―― 終 ――

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