The Brave

クラウスは生徒会長、ジェルメイヌは副会長を務めている。クラウスは生徒たちを見回した後、「新入生のみんな、入学おめでとう」と微笑む。何人もの女子生徒の頰が赤く染まったのが見えた。

「わからないことがあれば、遠慮なく僕たちに聞いてね」

「学園での困ったこと、こうしてほしいという意見も、あれば聞かせてくださいね」

クラウスとジェルメイヌの短い挨拶が終わり、また誰かが壇上に立つ。艶やかな黒髪に赤い目の女子生徒だ。猫のような目が特徴的で、美人と言われる顔立ちだと思う。

(……誰?)

自分の心の中に生まれた疑問は、隣に座っている男子生徒が答えてくれた。

「ヤバッ!本物の聖女様じゃん!」

表情には出なかったけど、内心驚いた。壇上の方を見れば、ローガンさんは優しく微笑んで新入生に手を振っている。名前だけしか知らなかった。こんな感じの人なんだ……。

(優しそうな人だな……)

特別な才能を生まれ持って与えられ、誰にでも愛されて、優しく微笑むだけで誰かを救う。自分にはないものだ。