The Brave

父さんが剣ではなく腕を動かした。腕が自分の腹部に思い切り入り込む。痛い。息ができない。そのまま自分は地面に倒れた。黒雲が消え、眩しい青空と太陽が自分を見下ろす。

「今回のマヤの敗因は二つ。一つ、序盤で魔力消費の激しい魔法を連発したこと。二つ、体格差があるのに自分の体で動きを押さえ込もうとしたことだな」

「……もう、あれしかないと思ったから……」

咳き込みながら自分が言うと、父さんが体を起こしてくれた。服はすっかり泥だらけ。体も傷だらけだ。

「相手の動きを封じるために拘束魔法があるんだ。それを覚えなさい。ジェルメイヌが拘束魔法が確か得意だったはずだ。シンシア学園に入学したら教えてもらうことだな」

父さんが自分の頭を乱暴に撫でる。前はこういうの苦手だったけど、ここの人たちはスキンシップが多いせいか、少し慣れてしまった。ジェルメイヌはちょっと怖い時があるけど。

「あなた!!またマヤをこんなにボロボロにして!!」

母さん(テンペランスさんのこと)が悲鳴に近い声を上げ、こっちに走って来た。その後ろにはフローラちゃんもいる。