The Brave

「そっちが来ないなら、私の方から行かせてもらう!」

父さんが地面を踏み込み、こっちへ向かって来た。速い。普通に受け止めたら負けてしまう。父さんの剣を受け流し、離れようとする。でも、父さんの手のひらに炎が生まれた。逃げようとすればあれが飛んでくる。

剣に魔力を流し、それと同時に防御魔法の詠唱を唱える。父さんと自分の間に光の壁ができた。これで少しは時間が稼げる……かな?

「フンッ!!」

父さんが剣に魔力を込め、振り下ろす。光の壁が一瞬で壊された。もう魔力、あんまり残ってないんだよな。

「それなら……!」

距離が取れないならもうこれしかない。自分にもダメージはあるけど、やられるよりはマシだろう。自分が詠唱を唱えると、自分たちのいる上空だけが黒雲に覆われる。

「ん?」

父さんが一瞬空に気を取られた。自分は地面を蹴り、素早く父さんの後ろに回る。自分と父さんじゃ身長差がある。でも、抱き付けば少しは時間が稼げるはずだ!

「甘い!!」