The Brave

部屋を見回した自分は、ベンジャミンさんがいないことに気付いた。仕事かな?

「ベンジャミンさんはお仕事ですか?」

自分の問いにクラウスさんが答えた。

「父さんはさっき家を出て行ったんだ。多分、二人に必要なものを買いに行ったんだと思う」

「そうですか」

自分は窓の外を見た。綺麗に手入れされた庭。雲一つない青空。太陽はまだそれほど高くない。さて、これから何をするべきなのか……。

「何かしたいことはある?」

テンペランスさんに訊かれ、自分は少し考えた後、「本が読みたいです」と答えた。この世界の文字がどういうものか知りたいし、どんな本があるのかも知りたかった。

「あたしも!あたしも、本読みたいです!」

フローラちゃんが手を挙げる。テンペランスさんはニコリと笑った。

「じゃあ、みんなで読書をしましょうか」

そして連れて行かれたのは、図書館かと思うほど広い書斎だった。天井に届く高さの本棚には、ぎっしりと本が詰められている。

「絵本はそっちの棚にあるから、好きなのを読んでね。私はあれを読もうかしら」