The Brave

テンペランスさんがハサミを置く。鏡に映る自分は、パッと見たら男の子みたいになった。短くなった髪に大満足して、テンペランスさんにお礼を言う。

「ありがとうございます!」

普段はあまり動かない表情が動いた。口角が上がっているのがわかる。テンペランスさんは少し驚いた様子を見せたものの、自分を抱き締めてくれた。

「……よかったです」

胸の奥がギュッと締め付けられる。この感覚は何だろう。

カットを終えてフローラちゃんたちが待つ部屋に行くと、フローラちゃんは二人と話しているところだった。フローラちゃんの髪は複雑な編み込みがされている。

「あら、髪を切ってしまったんですか。残念です。お揃いにしたかったのに」

ジェルメイヌさんが残念そうに言う。彼女のリンゴのように赤い髪は、フローラちゃんと一緒だ。ジェルメイヌさんがしたんだろう。

「綺麗な髪なのに……」

「ジェルメイヌ。マヤの意思を否定しちゃダメだ。マヤ、短い髪もよく似合ってるよ」

クラウスさんが注意をし、ジェルメイヌさんはしょんぼりしたままフローラちゃんを抱き締める。フローラちゃんはどこか嬉しそうだ。