The Brave

その時、部屋の隅に全身鏡があることに気付いた。宝石が埋め込まれ、金でできている。そんな鏡は今、大きなヒビが入っていた。

鏡の前に立った時、自分は驚きで口を開けた。だって、鏡に映っている自分は、今朝見た自分じゃない。全くの別人が映っている。

「誰?」

後ろで纏められた黒髪はどこか紫がかっている。そして目は黄色だ。日本人の容姿じゃない。おまけにこの背丈は子どもだ。六歳くらいの子どもが鏡に映っている。

「どういうこと?」

混乱していると、また轟音と共に部屋が揺れる。とにかく早く逃げなきゃ。近くに落ちていたテーブルクロスを体に巻き付け、とにかく走る。部屋を出ると長い廊下が続いていた。

廊下を走っている間も、轟音と共にグラグラと建物が揺れる感覚がした。その振動に耐えつつ、出口を探していく。すると、曲がり角で誰かとぶつかった。

「わっ!ごめんなさい!」

「イタタ……。こちらこそ、すみません」

目を開けてぶつかった相手を見る。淡いピンクのロングヘアーの女の子だ。歳は多分同じくらい。自分が着ていたのと同じような豪華なドレスを着ているけど、重いスカートの丈が短い。スカートを何かで破いて動きやすくしたんだろう。