劣等生と光の花束〜ある魔女の秘密〜

マシューは走っていた。後ろからはドラゴンが迫っている。マシューは転んだ。振り返れば、ドラゴンが大きく口を開けている。

「うわあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」

マシューは飛び起きた。汗をかいているせいで、パジャマが肌に張り付いている。マシューの元にジルがやって来た。

「マシュー、大丈夫?随分魘されていたみたいね」

「怖い夢を見たんだ……。ドラゴンに追いかけられる夢……」

マシューが息を吐くと、ジルはマシューの手を舐めて顔を擦り寄せる。その温もりに、マシューの激しい鼓動は落ち着いていった。

「シャワーを浴びた方がいいわね」

マシューがすっかり落ち着きを取り戻した頃、ジルが体を舐めながら言った。マシューも頷く。

「そうする。汗でベタベタで気持ち悪い」

「そうね。汗で汚れたままじゃ、せっかくの衣装を台無しにするかもしれないし」

ジルが意地悪そうに言った。マシューの顔が赤く染まる。

「あ、あれは僕の意思で着るわけじゃ……!」

「そうなの?意外と似合ってるわよ」