左手に龍はまだ来ない

俺は病気らしい。
友達は口を揃えて言う。

「幹太は中二病だからしょうがないよ」と。

一応、グーグル先生にも聞いてみた。

死ぬような病気ではないらしい。
多くの人が通る道、とあった。

(なんだ。珍しくないのか)

俺だけが特別にかかっているわけじゃないとわかった途端、興味は薄れた。

それでも、きっと俺は特別な使命を持ってこの世界に生まれてきたはずだ。

そのうち、この黄金の左手に龍が降りてくる。

たぶん。

今のところ、俺に課されたミッションは一つ。

――モテること。

最近聞いた音楽と、読んだ漫画の情報を統合した結果、
朝、食パンを咥えて角を曲がると運命の出会いが発生する確率が高い、らしい。