響け!星夜のセレナーデ

『気にしていない』

そのことにレオンハルトの心に傷がついた。沈黙が流れる。少し重い空気の中、ハリエットが恐る恐る言った。

「レオンハルトさん」

「なんだい?」

「歌を歌ってもいいですか?」

「構わないよ」

「ありがとうございます。新しい歌なんです。やっと完成しました」

ハリエットは優しく笑う。そして、優しい歌声が夜空に響いた。


定められた運命すら壊してしまう My precious

難解な暗号を解読 小説の探偵もどんなミステリーも敵わない
誰かの抱える闇を解いていく 止まってる時間がもったいない!

サーチライトに照らし出された迷宮で踊る
誰かの悲鳴 誰かの泣き声
全て掬い上げる My pleasure


「……もしかして、これはーーー」

「レオンハルトさんをイメージした歌、です……」

少し照れた様子でハリエットは言う。レオンハルトはすぐにハリエットを抱き締めたくなった。夜風が火照った頰を撫でていく。