響け!星夜のセレナーデ

レオンハルトはジョセフの動きを見つめながら言った。カナタは「はい!!」と大きく返事をし、ハリエットの方を向く。

「ハリエットさん。行きましょう」

「は、はい……」

カナタはハリエットの手を引いて走り出す。刹那、船が大きく揺れた。レオンハルトたちは必死に船の手すりなどに掴まる。

「うわぁぁぁぁぁ!!」

「きゃあぁぁぁぁ!!」

マーガレットたちの悲鳴が響く。レオンハルトも手すりに掴まり、「みんな!!絶対に手を離さないように!!」と大きな声で言った。ジョセフがニヤリと笑う。

「フフ……。この程度でこの狼狽えよう。貴様らは一瞬で地獄に落ちることになるな」

レオンハルトの頰に海の雫が飛んでくる。彼の中に嫌な予感が渦巻いていった。強い魔力が船に近付いてきている。

「クソッ!全然動けねぇ……。ていうかこれ、なんかデカい奴が体当たりしてねぇか?」

アントーニョが海を覗く。その顔が徐々に真っ青になっていった。オルハンが口を開く。