響け!星夜のセレナーデ

ルートヴィッヒの魔法による攻撃、アントーニョによる打撃、オルハンと幽霊による攻撃、マーガレットの蹴り、カナタの剣術ーーー。黒い手を次々と倒していく。

(みんなで力を合わせれば……!)

レオンハルトの魔法が黒い手を弾いた。レオンハルトの生み出した防御魔法の向こうで、ジョセフが顔を歪めていく。

「貴様ら……!!」

ジョセフが杖を振り上げる。その時だった。ガチャンと音が響く。刹那、黒い手が全て一瞬にして消えた。ハリエットを閉じ込めている檻も消えた。全員の動きが止まる。

「えっ?何?」

「何が起きてるんですか?」

マーガレットとカナタが顔を見合わせ、首を傾げる。ジョセフの顔は真っ青になっていた。レオンハルトは目を凝らし、「そういうことか」と呟く。ジョセフの左手には手錠がかけられていた。あれは、魔力を封じる力を持った手錠である。その手錠を持っているのはーーー。

「レオン!みんな!大丈夫か!?」

ギルベルト・ワーグナーが叫んでいた。ギルベルトは数人の警察官と共に小型船に乗っている。彼の手には手錠のもう片方がしっかり握られていた。