響け!星夜のセレナーデ

「戦いの最中によそ見とは、随分余裕があるようだな」

ジョセフが銃口をルートヴィッヒに向ける。彼は冷や汗を流しながら、「……油断した」と呟く。腹部からさらに血が流れていった。その様子を見てアントーニョがレオンハルトの背中を叩く。

「行ってやれ!!ハリエットのことは俺たちで何とかする!!」

「僕も行きます!僕の異能でルートヴィッヒさんを助けます!」

カナタがルートヴィッヒの元へ走り出す。レオンハルトは「ハリエットを頼む」とアントーニョたちに言い、走り出した。

腹部を押さえて苦しむルートヴィッヒにカナタは駆け寄り、手をかざす。傷口が淡い光に包まれていった。ジョセフの顔から表情が消える。

「回復系の異能力者か……。厄介だな」

銃口がカナタに向けられる。レオンハルトは防御魔法の呪文を唱えた。光の壁がジョセフとレオンハルトたちの間にできる。

「カナタの邪魔はさせません!」

レオンハルトがジョセフにそう言い放つと、彼はニヤリと笑った。その目はハリエットの檻に向けられる。