響け!星夜のセレナーデ

「レオンハルトさん……」

「ハリエット。兄さんがファスベンダー卿の相手をしているうちに、君をここから出す。そろそろワーグナー刑事たちが来るだろう。もう大丈夫だ」

檻の出入り口に巻き付けられた鎖と南京錠を見つけ、レオンハルトは杖を向ける。そして呪文を唱えた。

「クラーウィス!」

鍵を開ける魔法である。学生が最初に習う初歩的な魔法だ。しかし、レオンハルトの表情が曇る。

「魔法が効いていない……?」

通常ならば鍵が開くはずなのだが、鍵はかかったままである。ハリエットが不安げな表情を見せた。レオンハルトはすぐに笑いかける。

「ハリエット。そんな顔をしないでくれ。すぐにそこから出よう」

レオンハルトは服のポケットから針金を取り出した。魔法が効かないのであれば、針金で鍵をピッキングするしかない。幸い、ピッキングはレオンハルトの得意なことの一つである。

「三分後にはハリエットは自由な身だ」