響け!星夜のセレナーデ

(成功してくれ……。もうこれしか手はないんだ……)

アントーニョが船の上に戻ってきた。全員がクラーケンを見つめる。刹那、状況が動いた。クラーケンが苦しみ始めた。その体はどんどん溶けていく。

「すごい!ハリエットの言った方法が成功したわ!」

マーガレットがはしゃいだ。クラーケンは溶けて消えてしまう。レオンハルトとルートヴィッヒは魔法を解いた。クラーケンは死んだ。溶けた遺体が海を漂っていく。

「どういうことだよ?」

アントーニョが首を傾げる。ハリエットはもう一度説明した。

「イカは塩分濃度変化に弱いんです。真水に触れると細胞内に水が浸透し、組織が破壊されてしまいます。これがイカの弱点です」

レオンハルトとルートヴィッヒがクラーケンを閉じ込めたのは、真水の球体である。イカの弱点だ。

「そんな弱点があったんだな〜」

「ハリエットはすごいねぇ」

アントーニョとオルハンがハリエットを褒める。ハリエットは照れたように笑った。その表情にレオンハルトの胸が高鳴る。