醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

「隠さなくていいわ。綺麗な銀髪ね」
 その手に制され、ブレイクの動きが止まる。

「馬鹿か、お前は。離岸流に飲まれてな。気づいたら訳の分からん島まで流れ着いちまったぞ」
 吐き捨てるような声に乱暴な口調。

 けれど、声の奥には微かな安堵が滲んでいる。
 エリシアはブレイクの顔を見つめ、静かに言った。

「そんな乱暴な言葉も話すのね。その銀髪。貴方、レイディン帝国の皇子なんじゃないの?」
 一瞬、風が止んだように感じられた。

 エリシアの言葉に、ブレイクは露骨に気まずそうな顔になる。
 銀髪は稀少であり、そしてレイディン帝国の皇族の証。

 隠し通せるはずもない事実だった。