醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

 エリシアは自分を取り巻く全ての絶望と孤独に身を沈めた。

 全てを抱いたまま、エリシアは真っ暗な海の中へ静かに沈んでいった。

 ♢♢♢

 うっすらと、まぶたを押し上げる。
 最初に視界に飛び込んできたのは、陽光を吸い込んで淡く輝く銀髪だった。

 海辺の白い砂に反射する光を受けて、その髪はまるで水面のようにきらめいている。

 潮の香り、遠くで砕ける波音。

 身体は重く、けれど生きている。

 目が合った瞬間、ブレイクは焦ったように息を呑んだ。

 慌てて黒衣を引き寄せ、銀髪を隠そうとする。
 その仕草があまりにも人間臭くて、エリシアはゆっくりと手を伸ばした。