醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

「ルナ王女殿下は、私が聖女だと知りながら黒魔術を?」
 ゆっくりと、問いかける。

「⋯⋯」

 その沈黙が、すべてを物語っていた。
(そうか。私、十年前から聖女だったのね)

 聖女の力は黒魔術に封じられていただけ。
 思考が鮮明に、そして鋭く、胸を切るように巡る。

 成長と共に、その力は呪いを打ち破り、闇は術者のもとへ返ったのだ。

 聖女が現れれば、国は繁栄する。

 その地位は、国王でさえ敬わなければならない絶対的なものとも言われる。
(なのにノイダン王家はそれを蔑ろにして、全てを隠していた)

「ノイダン王家は私を散々、蔑ろにし、蔑み、困ったら助けてくれって事ですか?」