醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

「はい。では、レイディン帝国に到着したら直ぐにでも結婚しましょう」

 エリシアは権力には興味がない。
 けれど、セドリックが欲している力には心の奥で強い好奇心が芽生えていることを否定できなかった。

 人の感情を利用する最低な男だと理解しているのに、それでも彼を知りたい、触れたいという感情が湧き上がる。
 その感情の芽は、恐ろしくも甘い刺激を伴って、胸の奥で小さくざわめいた。

 視界の端でリオネル肩がかすかに震えるのを感じる。
(リオネル、本当に私を愛してくれたのは、もしかして貴方?)

 一瞬迷いが生じるも、今の彼女の決意は、揺らぐことはなかった。