醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

 誰に対しても平等で、親切で、その在り方はまるで聖女のようだった。

 美しい容姿に、何もかも与えてくれる家族。

 愛されて育ったからこそ、疑うことを知らないのだろう。
 それが、彼には眩しかった。

 彼は密かに、エリシアとの会話を何度も頭の中でシミュレーションした。
 緊張など知らないはずの自分が、彼女の前では全く言葉が出なくなる。

 透き通るようなピンクルビーの瞳に見つめられると、いつも頭が真っ白になった。
(頭の悪い男だと思われているかもしれない。口下手だと、退屈されるかも)
 幻滅されたくない一心で、彼は毎晩、話題を考え続けた。