響け!沈黙のレクイエム

「俺はハリエットが心配なんだよ。待ってるだけは嫌だ。俺は自分にできることをする。だから邪魔すんな」

「トーニョ、冷静になりなよ。冷静じゃない君が動いたところで事態がいい方向に向くとは思えないね。むしろ逆に悪化させる可能性の方が高い。大人しくしておきなよ」

レオンハルトは二人の様子を見てため息を吐く。どちらも間違ったことは言っていない。だからこそ、今は喧嘩をしてほしくなかった。

(仕方ない。魔法で二人を引き離すか……)

レオンハルトは杖を二人に向ける。魔力がある程度回復したとはいえ、体力の方はそう簡単に戻らない。腕に力がうまく入らず、杖を落としてしまった。

「レオン、無理しないで。あの二人なら私とカナタでなんとかするわ」

杖を拾おうとするレオンハルトの手をマーガレットが掴む。その表情はいつになく真剣なものだった。マーガレットは睨み合う二人の元へと大股で歩く。

「二人ともいい加減にーーー」