響け!沈黙のレクイエム

政治犯罪の資料を見ていた彼は、魔法の痕跡が消されていることに気付いた。痕跡が消されたせいで、誰が犯人なのか特定できていない。

(古代魔術を使うか)

昼休み。セドリックは誰もいない会議室へと向かう。そして一人、古代魔術の呪文を唱えた。

「どうか、我に真実をお見せください。隠されしものを我に教えてください」

杖の先から光が溢れる。その光が魔力を辿り、持ち主の名前や今いる場所を教えてくれるのだ。魔法使用者と対象者の距離が近ければ近いほど正確な答えが出る。

「えっ……」

浮かんだ名前にセドリックは戸惑った。そこに書かれていた名前は「ジョセフ・ファスベンダー」だった。さらに、彼が数々の詐欺や殺人などの事件に加担していることも明らかとなってしまった。

「ファスベンダー卿が裏でこんなことを……?」

その事実を知った数日後、セドリックはジョセフに豪華客船・サリエル号にリリーと共に乗船するように言われた。半年前、その船では殺人事件があった。ジョセフが仕組んだものである。