響け!沈黙のレクイエム

アントーニョが拳を握り締め、天井を睨み付ける。レオンハルトは顎に手を当て、これからどうするかを考え始めた。

(魔力を辿るか?いや、魔力は途中で途切れているだろうね。古代魔法を使い続けると私の魔力が消耗されてしまうし、そうしている間にハリエットの命が危ない)

まずジョセフがハリエットをどこに連れ去ったのか。のんびり探す余裕はない。

(どこから探すべきか……)

ジョセフが行きそうなところをレオンハルトが考え始めたその時だった。部屋のドアが開く。全員が警戒した姿勢を取るも、相手を見て警戒を解いた。

「ワーグナー刑事!」

「兄さん!」

部屋のドアを開けたのは、ギルベルト・ワーグナーとルートヴィッヒだった。カナタが「どうしてこちらに?」と訊ねると、ギルベルトが頭をガシガシかく。

「いや、事務所に報告することがあったんでな。事務所前でルートヴィッヒさんと会ってな」

「私も事務所に用事があったからね。レオンたちが走っていくのを見かけてここまで来たんだ。話は全部聞かせてもらったよ」