高校の合格発表の帰り、
私は真っ先に蓮にーちゃんのお墓に向かった。
中学のときよりもずっと難しくなった勉強に、
何度も心が折れそうになったけれど、
お兄ちゃんから引き継いだあの参考書が、いつも私を支えてくれた。
「にーちゃん、受かったよ」
そう報告した瞬間、
春の温かい風がふわっと吹いて、
周りの桜の花びらが舞い上がった。
まるで、にーちゃんが
「おめでとう、よく頑張ったね」
って笑いながら、私の頭をなでてくれているような気がした。
いつの間にか、
私は「蓮おにいちゃん」
ではなく、
「蓮にーちゃん」と呼ぶようになっていた。
同じ学校の後輩になって、
同じ苦労を知って。
一人の人間として、お兄ちゃんの生きた軌跡を追いかけ、
理解できるようになったから。
私はこれから、私の道を、私の足でしっかり歩いていく。



