お兄ちゃんの、いる場所。



中学三年生になった。

私は、
心理カウンセラーの勉強ができる高校に行きたいって決めた。


あのころの私みたいに、
誰にも言えない悲しさを抱えている子の心を
守りたいって思ったから。


​ふと、カレンダーを見て手が止まる。


今の私は十四歳。
蓮お兄ちゃんが、
あの白い箱の中で眠っていたときと同じ年齢になった。


明日になれば、私は十五歳になる。

お兄ちゃんが経験できなかった時間を、私はこれから生きていく。


​お兄ちゃんを置いて、
未来に、私はどんどん進んでいっちゃうよ。



お兄ちゃんは、ずっと十四歳のままだ。

バスケが大好きで、
指先が器用で、
私に歩幅を合わせてくれた、
あの中学生のまま。


私はお兄ちゃんを過去に置き去りにして、
勝手に大人になってしまうみたいで、


胸の奥がぎゅーっと苦しくなった。