幼馴染への三度目の失恋を回避したい ――激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。【完結】

 ◇

「……ただいまあ」
 本日二度目の帰宅をする。

「おかえり〜」
 リビングから、お父さんののんびりとした声が聞こえてきた。

「コンビニ、なっちゃんと行ってきたの?」

「あ、うん。 ちょっと、クラスの委員の用事もあって……あっ、これアイス!」

 私は顔の熱を隠すように、ぼーっとした頭で慌てて適当な嘘をついて誤魔化し、買ってきた箱アイスをお父さんに手渡した。

「おお、ありがとう。めぐはグレープ?」
 お父さんが箱を開けながら聞いてくる。

「うん……」
 上の空で答え、私は受け取ったアイスキャンディーを手に、リビングのダイニングチェアの上に体育座りをするようにして丸まった。

 袋を開けて、少しだけ溶けかかっている冷たいグレープ味のアイスを口に含む。

 頭の中では、先ほどの公園での出来事がぐるぐるとリフレインしていた。

『……付き合お』

 あの掠れた甘い声と、耳元で聞こえた強い心音を思い出して、再び顔から火が出そうになる。
 私は膝に顔を埋め、一人で悶絶した。

(……でも)

 ふと、ある疑問が脳裏によぎる。

(……付き合ったら、具体的にどうなるんだろ)

 そして、そんな考えが浮かんだ自分自身にハッとする。

(あれっ……? 私のレベル、小学六年の修学旅行の時からまったく成長してなくない……!?)

 私は自分の絶望的な「恋愛偏差値の低さ」に、頭を抱えて一人で大焦りするのだった。