幼馴染への三度目の失恋を回避したい 〜激重な片思いを隠さなくなってきた彼に、心臓がもたなくなってきた彼女。〜【完結】

 ゴールデンウィーク真っ只中。
 連休に入ってからというもの、僕は半日を部活で汗を流し、もう半日は友達と遊ぶといった過ごし方をしていた。

 今日は朝からやけに気温が高く、湿気がこもったサウナのような体育館で、それこそ滝のような汗をかいた。
 さすがに気持ち悪くて、帰宅してすぐにシャワーを浴びた。

 タオルで適当に拭っただけの濡れた髪のまま、昼飯の素麺を五分ほどで胃に流し込む。

 連休が明ければ、まもなく高校に入って初めての中間テストが迫っている。
 そろそろ軽く勉強でもしておくか、と自室の机に向かった矢先のことだった。

 ――ピンポーン。

 間の抜けたインターホンの音が、静かな家の中に響いた。

 母さんは息抜きにショッピングへ行き、小学生の弟は習い事に出かけている。
 今日休みで家にいるのは、リビングでゴロゴロしていた父さんだけだ。

 父さんが「はい」とインターホンに出た直後、「おおっ!」という弾んだ声に変わった。

(……まさか)

 ある予感がして耳を澄ます。
 玄関のドアが開く音とともに、「久しぶりだなあ!」と喜ぶ父さんの声に重なって。

「なっちゃんパパ、お久しぶりですー!」

 明るく聞き慣れた声が、鼓膜を揺らした。

 ――めぐみだ。

「…………っ!」
 僕はガタッ! と大きな音を立てて椅子から跳ね起きた。
 慌てて部屋を見渡す。
 まず、床に脱ぎ捨ててあったジャージやスウェットを引き戸のクローゼットの中に手当たり次第にぶち込んだ。
 そして、捨てるのをサボって机の上に散乱していたゴミを両手でひとまとめにくるんで、ゴミ箱へと一気にシュートした。

 なんとか最低限の清潔感だけは担保できた……と息をついた瞬間。

「おーい夏樹! めぐちゃん来たぞ〜」
 ノックもせずにガチャッと、嬉しそうな父さんが僕の部屋の扉を開け放った。

 父さんの背中の後ろから、ひょこっとめぐみが顔をのぞかせる。

「なっちゃん!」

 その姿を見た瞬間、僕は息を呑んだ。

 初夏らしい爽やかな半袖のポロシャツに、ふわりとしたロングスカート。

 そして何より、普段はおろしているかポニーテールにしていることの多いその髪が……今日は、綺麗なハーフアップにまとめられていた。

(……やめてくれ。俺は一番、めぐのその髪型に弱いんだ……!)

 動悸が激しくなりそうなのを必死に抑え込み、僕はあくまで平静を装って言い放つ。
「……どうしたの」

「あのね、お父さんが職場でたくさんゼリーもらったんだけど、うちじゃ食べきれないから、なっちゃんちもどうかなって思って……」
 そこまで言って、めぐみは顔の前でパンッと両手を合わせた。

「あと……なっちゃん! 数学教えて!」

 すがるように、大きな瞳で僕を見つめている。