天邪鬼な私に、宣戦布告されました

修学旅行明けの学校。

授業はいつも通りに戻っているのに、教室の空気だけがどこか浮ついている。
まだみんな、沖縄を引きずっているみたいだ。

「琉球ガラス体験した人ー。届いてるから取りに来てくださーい」

担任が大きなダンボールを抱えて教室に入ってきた。

「うわー、綺麗だね」
「形も可愛い」

由乃と澪がそろって、私の丸っとしたグラスをのぞき込む。

赤い塊だったそれは、出来上がった頃には鈍い青に変わっていた。
そして今は、透明感のある青に、爽やかな風みたいな白いラインが入っている。

「綺麗……。良かった、ちゃんと届いた」

私は、颯斗との思い出をこの琉球ガラスに透かしながら眺める。

(颯斗のは、どんな感じだろう)

何気ないふりをして、颯斗の席へ視線を走らせた。

――バチッ。

目が合った。

私は自分のガラスを持ち上げ、颯斗に向ける。

き・れ・い。

声には出さず、口だけでそう伝えた。

颯斗はふいっと顔を背けた。
けれど、私に見えるように、自分で作ったグラスをそっと差し出している。

それは、私が選んだ水色のガラス。
颯斗によく似合っていた。

(模様も一緒。……お揃いだ)

胸の奥が、くすぐったくなる。