窓枠を越えなくても、音は届く。

「じゃあ、一旦窓を閉めるよ」

「にゃ」

小さく「にゃ」と鳴いたさぶは、窓を閉められないように窓枠に体を乗せ始める。

「え、外にはいるけど閉めるなってこと!?」
「……」
「返事はしないけど、そういうことでしょ!?」
「……」
「窓は閉めよ! 暖房ついてるよ!」
「……」
「返事せんかい!」

しかし、さぶが窓枠から動いてくれないので私は仕方なく部室を飛び出して、佐々木先生の研究室まで足早に向かう。

ここはもう窓を早く閉めるためにも、素早くさぶの服を回収してこよう。
 
ていうか、本当に一体誰がこんなことをしているのだろう。

自分でさぶにご飯もあげれば良いし、服も着せてあげれば良い。

だって準備をしているのだから。