窓枠を越えなくても、音は届く。

「本当に『さぶ』で良いの……?」

「にゃ!」

ご飯を食べていて顔をずっと顔を上げていなかったのに、「さぶ」という単語から顔を上げている。

もう「さぶ」と呼んでほしいとでも言うように。

「じゃあ、『さぶ』って呼ぶね」

「……」

「最後は返事しないのかい!」

あまりにツッコミどころの多い返事の仕方に私はつい「ふはっ」と吹き出すように笑ってしまう。

怖いとか、寒いとか、色々考えていたのに、怖さも寒さももう感じなくなっていた。