窓枠を越えなくても、音は届く。

私の叫び声に相手まで驚いて「きゃ!」と声を上げたのが分かった。

咄嗟に振り返ると、そこには食堂のおばちゃんが立っている。

「急に叫んでどうしたの!? びっくりしたじゃない!」

「すみません……!」

「もう食堂は閉まったけれど」

「ちょっと探し物をしていて……」

「あ、もしかして、これかしら?」

食堂のおばちゃんが厨房の裏に一度戻ると、すぐに一日目と同じお皿に入ったさぶの夕ご飯を持って来てくれる。

「さっき見つけて、何か分からないから回収しておいたの」

「ありがとうございます!」

「にしても変わった落とし物ね……」

「あはは……」

見知らぬ食堂のおばちゃんに説明するのも変だと思うと同時に、誤魔化す言葉も上手く出てこず、意味不明な笑いで誤魔化してしまう。