窓枠を越えなくても、音は届く。

翌日、さぶが部室を訪れるようになって四日目。
 
またさぶは首元にメモ用紙をかけて部室に来たが、今日のメモはいつもと少しだけ違った。

いや、違うというか逆に同じだった。


『私の夕ご飯はどこですか? ヒント:この大学の学生が食事をする場所の真ん中』


「このメモ帳、一日目と同じじゃん」

一日目と同じにも関わらず、わざわざもう一度新しい紙に同じことを書いている。

その状況が不思議で、怖いのに……どこかさらに真相が気に始めている自分がいた。

「にゃあ」

今日もさぶは呑気に鳴き声をあげて、伸びをしている。

「ねぇ、さぶ。貴方にこのメモ帳をつけたのは誰?」

「に……」

「に?」

「にゃああああ!」

「だと思ったよ! にゃあ以外言うはずないよね!? 何でちょっと言葉を溜めたの!?」

いつも通りの会話。

まだ出会って四日なのに、いつも通りという言葉が相応しいくらいに、さぶとの生活に慣れていた。