窓枠を越えなくても、音は届く。

「そうなんだ」

「で、美花は何でここに?」

その質問に、私は葉乃の横に座って今の状況を説明し始める。

葉乃は適度に頷きながら、静かに最後まで話を聞いてくれた。

「美花も変な出来事に巻き込まれてるね。もっと早く教えてくれても良いのにー」

「だって、こんなの説明しづらいじゃん。ていうか、ここに猫のおやつ置いてなかった!?」

「あー、これのこと? さっきこの椅子の上に置いてあったよ」

葉乃が私に渡した猫のおやつは「最高級!」と大きく書かれていた。

金色のパッケージに少しラメまで入っている。あまりに高級感のあるおやつだった。

「さぶってば、こんなに豪勢(ごうせい)なおやつをいつも食べているの!?」

私の大きな声のツッコミを聞いて、葉乃が引っかかったのは別の場所だった。