窓枠を越えなくても、音は届く。

次の日は雨が降っている日だった。

朝から雨が降り続いていて、傘がないと歩けないような降り方。

空は黒い雲に覆われていて、太陽は一切顔を出していない。

「これは今日、さぶは来ないな」

「にゃぁ〜」

「え!?」

突然さぶの声が聞こえて視線を下に向けると、さぶがほとんど濡れていないまま、いつものようにこちらを見ている。

ちゃんと昨日着せて上げた服も帽子もそのままである。

「なんで濡れてないの!? 軒下(のきした)を通って来たの!?」

「にゃ」

「そうなの!?」

「……」

「いや、どっち!?」

しかし、どう考えても軒下を通ってきたとしてしか考えられない。