窓枠を越えなくても、音は届く。

ここは大学、高校とは違う。

顧問なんて私のサークルでは、関わることもほぼない。

私が偶然佐々木先生の授業も取っていて、よく話すからこんな風に話せるだけ。

有名じゃないサークルなんてそんなもの。

幽霊部員もいれば、一度も来たことがないような人もいる。

まだ一応活動しているだけマシな方だと思う。
 
佐々木先生から離れて、部室までの廊下を歩き続ける。

気温は行きと同じはずなのに、少しだけ喉の奥が息苦しいような、温かいような不思議な感覚だった。

部室の扉を開けても、さぶは戻ってきていなくて。

「明日も来てね、さぶ」

つい神妙な声でそんな言葉を呟いてしまった。