窓枠を越えなくても、音は届く。

日本史のレポートの質問をよくしていたので佐々木先生とは仲が良いからこの会話でも大丈夫だが、普通だったら怒られているだろう。

そんなことを考えながら、私は部室に走って戻っていく。
 
私が部室に戻っても、さぶは窓枠の上でごろっと寝転がっているままだった。

私はそんなさぶを抱き抱えて、先ほど手に入れた服と帽子を被せる。

「え、さぶ……! めっちゃ似合うじゃん!」

「……にゃ」

少しだけの沈黙の後、さぶは満足そうな鳴き声を出した。

まるで私の言葉を理解しているみたいな反応。

実際理解しているのかなんて詳しくない私にはさっぱり分からないけれど、もうさぶが愛おしくなってきていた。

「じゃあ、私は一旦佐々木先生のところに戻って事情を説明してくるね」

私がそう言った瞬間、今まで窓枠を超えなかったさぶが初めて窓枠を超えて私の膝の上に乗って丸まる。