【不定期更新】甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。

それからの春もあっという間に過ぎていき、桜は葉桜になり、いつの間にかもう散り始めていた。

その日の閉店後、私は空雅くんに少し残って貰っていた。

「結婚式ですか?」

空雅くんが顔をあげて、私と目を合わせる。

「そう、私の大学時代からの友達が結婚式を挙げる予定なの」

店の奥で、私は空雅くんとテーブルに向かい合って座り、結婚式の日程が書かれた紙を真ん中に置いた。

「ずっと私の花屋のことも応援してくれていた友達で、結婚式を挙げるならメインテーブルの花とブーケだけは絶対に私の店で頼みたいって思ってくれていたみたい」

私にそう頼んでくれたのは、大学入学時からの友人である川淵(かわぶち) 野々花(ののか)

野々花の旦那さんも同じ大学で、私も顔を見たことくらいならある。

大学四年の時に野々花が今の旦那さんと付き合い始めたので、かれこれ野々花が付き合い始めてから六年経つことになる。

野々花から色んな話を聞いて、私もずっと野々花の恋を応援していた。

惚気話や、たまには愚痴も。

色んな話の中で、野々花が旦那さんを心から愛していることを知っていたので、結婚の話を聞いた時から嬉しかったが、「結婚式の花を私に頼みたい」と言ってくれた時は本当に涙が出るほど嬉しかったことをよく覚えている。