【不定期更新】甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。

「空雅くん、何で笑っているの? 何か嬉しいことでもあった?」

「だし巻き卵が美味しかったので」

「本当に卵料理が好きなんだね。私もこのお店に来れて良かったぁ」

貴方といるのが、一番嬉しいことなので。

なんて、言わない。

澪花さんが迎えにきてくれる王子様なんて求めていないことを知っているから。

それでも、いつか澪花さんが王子様が欲しいと望むように。

それまでに、自分がちゃんと澪花さんが求める理想の王子様でいられるように。

この時間を楽しみながら、澪花さんが俺を求めてくれる日を待っている。

(……でも、まつ毛を理由に澪花さんの頬に触れれば良かった)

真っ赤に染まった頬に触れたら、澪花さんはさらにどんな表情を俺に見せてくれるだろうか。

澪花さんは自分が緊張して固まってしまうことに困惑していた。

澪花さんは気づいていなかったが、俺がわざと真剣な雰囲気を出したのだから、澪花さんが緊張するのも当たり前だ。

そうでもしないと、澪花さんは何も感じない。だって、まだ俺を意識していないから。


(ああ、やっぱり触れれば良かった)


そうすれば、少しは澪花さんも……。

そんな考えを流すように、俺は運ばれてきたシンデレラを飲み込んだ。