【不定期更新】甘すぎる溺愛は、美しい花の隣で。

「にしても、空雅くんがこの店に来てからもう二ヶ月くらい経っているんだね」

「それは短く感じたのか、長く感じたのか、どっちですか……」

「なんか短いような、長いようなって感じかな」

「何ですか、それ」

楽しそうに笑いながら隣を歩いている空雅くんは、当たり前のように車道側を歩き、私との距離は人ひとり分ほど空いている。

そういう気遣いが出来るから、お店でも人気者なのだろう。

そして、そんな他愛のない話をしているうちに居酒屋の前まで着く。

「あの、ここまで来て聞くことじゃないんだけど、歓迎会だけど私と二人だから……」

もし嫌だったらとか、彼女がいたらとか、そんな言葉を紡ぐ前に空雅くんは私の後ろから手を伸ばして、居酒屋の扉を開けてしまった。

「彼女とかもいませんし、心配いらないですよ。それに澪花さんとの食事を取れるのは嬉しいです」

質問を言い切る前に全ての答えを返されてしまって、私はどこか悔しくなりながら居酒屋の扉を(また)いだ。