「私がしたことの責任は、私がとる。結城さんを巻き込んだのは私だし、ちゃんと説明してくる」
「そんなことしなくていいよ。これは、私の問題で……」
「いいんじゃなくて、したいの」
真白さんは私の言葉を遮って、はっきり言った。
「結城さんは私のために、ずっと頑張ってくれた。だから、今度は私の番でしょ?」
飾らない、本気の声だった。
「……ありがとう、真白さん」
「任せて」と言って、真白さんはほうじ茶ラテを私に差し出した。温かかった。カップの温度も、その言葉も。
◇
それから一週間、演劇部の準備は慌ただしく続いた。
衣装の仕上げ、小道具の最終確認、通し練習の繰り返し。
部室には常に誰かの声が飛び交い、放課後のたびに慌ただしさが増していった。
私はその中で、メイクの準備を進めながら、舞台を見ていた。
美紅先輩がシンデレラ役で立つ姿は、やっぱりすごかった。
「私だって、行きたい。あの舞踏会に……誰よりも、行きたいの」
よく通る声、迷いのない動き。舞台に立った瞬間、場の空気を変えてしまう。
「やっぱり、美紅先輩はすごいな……」
隣の芽依ちゃんが、羨望の眼差しで小さく呟いた。私も、静かに頷いた。
私は裏方。それでいい。……それでいい、はずなのに。なぜか今日はその言葉が、いつもより少しだけ空洞に響いた。
そしてこの一週間、私は気になっていることがあった。



