遊園地の入り口に着くと、景斗さんはすでに待っていた。
シンプルな白のTシャツに、薄いグレーのジャケット。カフェのときと同じように、オフの顔だ。
その顔を見た瞬間、胸のあたりがざわりと動いた。
早足になっていた理由が、今ならわかる。でも、その言葉を頭の中で形にするのが、なぜか怖かった。
「如月さん、今日はよろしくお願いします」
「こちらこそ、よろしくお願いしますわ」
そう言いながら微笑むと、景斗さんが優しく笑い返してくれた。
◇
遊園地の中は、休日だからか人でいっぱいだった。
家族連れ、カップル、友達同士──みんな楽しそうに笑っている。
「どれから乗りますか?」
景斗さんに聞かれ、私は園内の地図を広げた。
「まずは、お化け屋敷に行きませんか?」
「意外ですね。如月さんがお化け屋敷だなんて」
「怖いの、嫌いじゃないんです。入る前の緊張感が……なんか、好きで」
「俺もです。あの、始まる前の空気が」
「ほんとですか!?」
思いがけず趣味が合って、私たちはまた同時に笑った。
「それじゃあ、行きましょうか」



