偽りのお嬢様〜不器用な御曹司は、素顔の私を離さない〜


「最近は、甘いものが恋しくて」

「そうなんですね。先日のティータイムのときも、ケーキを嬉しそうに召し上がっていたので。気になっていたんです」

景斗さんは、それ以上は何も言わなかった。パンケーキに視線を移し、一口食べて頷く。

「ここのパンケーキ、生地が違うんですよ。なんか、もちっとしてて」

「わかります。バターの溶け方も、中から出てくる感じで」

「そうそう、それです」

二人で同時に頷いて、一拍おいてから笑った。声を合わせて笑ったのは、初めてかもしれない。そのことに、笑いながら気づいた。

「如月さん、食べることが好きなんですね」

「あ……つい」

「いえ。美味しそうに食べている如月さん、俺は好きですよ」

「……っ」

耳まで熱くなった。そんな私を見て、景斗さんは目を細める。