偽りのお嬢様〜不器用な御曹司は、素顔の私を離さない〜


『@hopeful_girl_12:ついに顔を出してくれたんですね! ずっと応援してます』

あの子だ。DMをくれた、あの子。目頭が熱くなった。

少し経つと、また別のコメントが届いた。

『みずき:陽葵ちゃんだったの!? リボン直してもらった日から、ずっと感謝してたんだよ。これからも応援してる!』

『芽依:結城先輩の動画だったんですね!? いつも見てました! これからも一緒に頑張ります!』

みんな……。

照れくさくて、嬉しくて、胸がいっぱいになった。

そのとき、また一件、コメントが届いた。

『@keito_s:前から気になっていた動画、君だったんですね。ずっと、この声だと思っていました。』

画面を見た瞬間、手が止まった。

……景斗さんだ。

顔が、ぶわっと熱くなった。

返信しようとして、何を書けばいいかわからなくて、スマホをそのまま胸の上に置いた。

天井を見あげると、心臓がまだドキドキしている。

怖いことばかりだったのに、全部、前に進んだ気がした。

目を閉じると、先日の舞台の光景が浮かんだ。

客席の暗闇。ライトの眩しさ。自分の声が体育館に広がった、あの感覚。

そして、景斗さんの言葉。

──俺が好きなのは、結城陽葵だ。

その言葉を思い出すたびに、顔が熱くなる。

「ふう……」

ゆっくりと息を吐いた。今夜は、ぐっすり眠れそうだった。