偽りのお嬢様〜不器用な御曹司は、素顔の私を離さない〜


私は投稿画面を開いた。文章を打っては消して、また打った。それを何度か繰り返して、ようやく言葉が決まった。

『今まで顔を隠して活動してきましたが、これからは「結城陽葵」として活動します。メイクで、みんなを笑顔にしたいです』

スマホをスクロールし、写真を選んだ。

文化祭のあと、控室でコットンを手に持って、素顔で笑っている写真。

咲季が「記念に撮らせて」と言って、撮ってくれたものだ。

眼鏡をかけた、すっぴんに近い顔。結城陽葵の顔。

私は投稿ボタンに指を乗せた。一瞬、手が止まった。

怖い。だけど今は、それ以上にみんなに見てほしかった。

私は、思い切ってボタンを押した。

少しして、通知が届き始める。

最初は一つ、二つ。それが、みるみるうちに増えていく。

『え!? めっちゃ可愛い!』

『これからも応援します!』

コメントが次々と流れていく。その中に、見覚えのあるアカウント名があった。