理王くんの甘い罠

「ぁ、か、可愛いです、似合ってます!!」

「えへへ、ほんと?ありがとう」


あんまり顔を見られたくないから、私はすぐに視線を落として自販機の方へと歩く。


「先輩、昨日返信くれなかったから心配しました」


……そういえば、頑張れって思っただけで返せてなかったことに今更気がつく。


「ご、ごめんね……昨日ちょっとバタバタしてて……」

「……先輩。逃げないで、ください」


ぎゅっと手首を掴まれてしまった。


「に、逃げてなんかないよ」

「……何か、あったんですね」


……嫌だ、思い出したら泣いちゃうから。考えたく、ないのに……。


「離して……」

「離したら、先輩がどっか行っちゃう気がして」

「顔、見られたくないの……」

「……じゃあ、こうすればいいですよね」



ぎゅっと、綾瀬くんに抱きしめられてしまった。背の高い彼の腕の中に、私はすっぽりおさまってしまう。