理王くんの甘い罠

思わず足を止めた。俺になんて気づきもしない。恋する顔をしながら先輩は、背の高いヤツを見つめる。



あんな顔……俺に笑ってくれた時とは比べものにならないぐらい、甘ったるい。



……あれが、先輩の好きな人か?


噂が嘘だったらいいのになんて思っていた。


そんなわけないよな、俺のただの妄想だ。

でも、どうしてこんなにも胸騒ぎが?あんなやつと笑うぐらいなら、俺に泣かされて欲しい。


なんだか、自分がちっぽけに感じられた。でも、先輩にまだ心惹かれている。

諦めたくないんだ、だってこんなにも、貴方に目を奪われてしまうから。



だから、そんな可愛い顔を、俺以外に向けないで欲しい。


もう、立派に恋してるんだな、なんて柄にもないこと思った。




教室についてからも、上の空だ。