中学生のとき、遠くから見てくれていた私と、今、そばにいる私。
彼にとって、それはまるで別の人であるように見えているのではないか。
ずっと、そんな不安があった。
けれど、祥ちゃんはすぐに、落ち着いた声で否定した。
「……幻滅? するわけないよ」
「でも……」
「俺は……なんていうか……美絵の存在が、好きだから」
自分で言いながら、「……って、なんだそれ」と照れ隠しに小さく笑った。
「迷うことがあったら、全然頼ってほしいよ。俺だって……怪我から立ち直れたのも、間違いなくここで、他の誰でもない美絵が声をかけてくれたからだし。あれがなかったら、今の俺はいないと思うから……」
「…………」
(中学生の、あの日の私……祥ちゃんの救いになれてたんだ)
胸がいっぱいになり、我慢していた涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「……美絵が将来に焦りを感じてたこと、気づけなくて本当にごめん」
「……ううん。そんなに焦る必要がないのもわかってるんだけど……」
祥ちゃんは前を向いたまま続ける。
「……体育学部はさ、もともと目的を持って入ってくる人が多いから、将来目指すものが既にはっきりしてることも多いけど。ほとんどの大学生は、これから見つけていくんじゃないかなと思う。逆に考えると、選択肢がたくさんあるってことだし」
その言葉が、強張っていた心にスッと染み込んでいき、一気に心が軽くなる。
なんでもっと早く相談しなかったんだろうと後悔するくらいだ。
「……祥ちゃん、先生みたい」
小さく呟いたら、祥ちゃんは「え、マジ? 無事になれるかな」と照れくさそうに微笑んだ。
「うん……絶対なれる」
彼の夢を、彼の隣で応援したい。
今は少しの無理もなく、心の底からそう思えた。
「とにかく、俺が美絵のこと嫌いになるとかはありえないから。俺の片思い歴なめないで」
冗談めかして笑う祥ちゃんを見て、私も指で涙を拭いながら笑った。
「私も……祥ちゃんのことが、本当に大好き。会えなくて辛かった。嫌われたくなくて、正直な気持ちを話せなくて……時間がほしいなんて言って、ごめんなさい」
そう言って俯くと、祥ちゃんはブランコから立ち上がり、私の前に来た。
そして、ブランコに座る私に合わせて屈み込み、そのままぎゅーっと強く抱きしめた。
彼にとって、それはまるで別の人であるように見えているのではないか。
ずっと、そんな不安があった。
けれど、祥ちゃんはすぐに、落ち着いた声で否定した。
「……幻滅? するわけないよ」
「でも……」
「俺は……なんていうか……美絵の存在が、好きだから」
自分で言いながら、「……って、なんだそれ」と照れ隠しに小さく笑った。
「迷うことがあったら、全然頼ってほしいよ。俺だって……怪我から立ち直れたのも、間違いなくここで、他の誰でもない美絵が声をかけてくれたからだし。あれがなかったら、今の俺はいないと思うから……」
「…………」
(中学生の、あの日の私……祥ちゃんの救いになれてたんだ)
胸がいっぱいになり、我慢していた涙がポロポロとこぼれ落ちた。
「……美絵が将来に焦りを感じてたこと、気づけなくて本当にごめん」
「……ううん。そんなに焦る必要がないのもわかってるんだけど……」
祥ちゃんは前を向いたまま続ける。
「……体育学部はさ、もともと目的を持って入ってくる人が多いから、将来目指すものが既にはっきりしてることも多いけど。ほとんどの大学生は、これから見つけていくんじゃないかなと思う。逆に考えると、選択肢がたくさんあるってことだし」
その言葉が、強張っていた心にスッと染み込んでいき、一気に心が軽くなる。
なんでもっと早く相談しなかったんだろうと後悔するくらいだ。
「……祥ちゃん、先生みたい」
小さく呟いたら、祥ちゃんは「え、マジ? 無事になれるかな」と照れくさそうに微笑んだ。
「うん……絶対なれる」
彼の夢を、彼の隣で応援したい。
今は少しの無理もなく、心の底からそう思えた。
「とにかく、俺が美絵のこと嫌いになるとかはありえないから。俺の片思い歴なめないで」
冗談めかして笑う祥ちゃんを見て、私も指で涙を拭いながら笑った。
「私も……祥ちゃんのことが、本当に大好き。会えなくて辛かった。嫌われたくなくて、正直な気持ちを話せなくて……時間がほしいなんて言って、ごめんなさい」
そう言って俯くと、祥ちゃんはブランコから立ち上がり、私の前に来た。
そして、ブランコに座る私に合わせて屈み込み、そのままぎゅーっと強く抱きしめた。



